こんにちは。SUN&MOON 柳瀬更織です。
今回は、40代会社員の方から、こんなご相談をいただきました。
「友達も多く社交的な性格だと言われることが多い私ですが、実は家族以外の人のことを心から信頼していません。いつかは裏切るんだろうと、どこかで思ってしまい、信用することができません。小学生のころ、いじめにあっていたのが原因だとわかっているのですが、克服する必要はありますか?(40代/会社員)」
小学生時代の辛く悲しい出来事から、社交的な性格だと周囲から言われる現在に至るまでの間、あなたは大変な努力をなさったのではないかと想像します。
信じていたことを根こそぎ裏切られる衝撃、人間の腹黒さを目の当たりにしたときの絶望、そして孤独…「いじめ」をうける側は、心身が破壊されてしまうほど過酷な経験をします。
あなたのように「人のことを心から信用できない」という気持ちを持つのは当然でしょう。
その気持ちを克服する必要があるかどうか…?という、ご相談でしたね。
いいえ。
あなたは、十分に「克服」しています。
人は信用できないと知りつつも、あなたは、人の繋がりを絶つ事はしませんでした。
友人が多いこと、周囲から社交性があると評価されている時点で、あなたがどれだけのことを乗り越えてきたのかが分かります。
そして、「人を信用できない」というご自身の心にある原因が、小学生のときの「いじめ」にあると理解していらっしゃいます。
あなたは、自分自身を内観し、自他の関係を冷静に見つめて、心と環境のバランスを取っているのです。
「いじめ」は必ず集団で行われます。
…なぜでしょう?
心が弱くて、ひとりでは何も出来ないからです。
集団でひとりを追い込んでいく「いじめ」は、「心の殺人」と言っても過言ではありません。
絶対にあってはならないこと。重大な罪です。
「いじめ」を見て見ぬフリをして傍観している人々も、また同じ。
…しかし、残念ながら、「いじめ」が無くなることはありません。
子ども時代だけではなく、精神的に成熟しているはずの大人の中でも、「いじめ」は頻繁に起きています。
人間というのは、何故こんなにも愚かなのでしょう…。
「1対1で相手と向き合うことが出来ない弱さ」は、集団心理を操作します。
これは、この地球で生きる私達、全ての人々が克服しなければならない課題かもしれませんね。
あなたは、克服すべき課題ではなく、「生かすべき経験」を持っています。
今もなお、「いじめをうけている人」が、あなたの近くに居るかもしれません。
過去の「いじめ」に苦しみ、「人と接触することを恐れている人」が、あなたの近くに居るかもしれません。
「人を心から信用できない…」と、きっとあなたと同じ気持ちを抱えていることでしょう。
そんな方々に出逢ったときは、どうか「相手の孤独」に寄り添ってください。
そして、人を信用できない気持ちと、人と繋がる選択をした現実の狭間で、あなたが自分自身を内観しながら克服してきたプロセスを伝えてほしいと思います。
これは、同じ経験と気持ちを持つあなたにしか出来ないこと。
「辛く悲しい経験こそ、生かす」
あなたという人間性が、更に魅力を増して輝いていくことでしょう。